坤為地 ~・六十四卦・~

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受け身で進む【大吉】

<卦辞> 「坤は元いに亨る。牝馬の貞に利ろし。君子往く攸あり。
先んずれば迷い、後れれば主を得る。西南朋を得るに利ろし、東北朋を喪うも、貞に安んずれば吉」
<読み方> こんは おおいに とおる。ひんばの ていに よろし。くんし ゆくところあり。さきんずれば まよい、おくれれば ぬしをえる。せいなん ともをうるによろし、とうほく ともをうしなうも、ていにやすんずれば きち。

坤為地は母なる卦。静か・柔らかい・順うなどという意なので、積極的ではなく、他に従うのを本分とします。

上爻龍野に戦う。其の血玄黄(りゅう やに たたかう。そのち げんこう。)龍が野で戦い、血を流している。龍というのは坤為地ではなく、強さの象徴「乾為天」を表すはずでした。しかしなぜか、坤為地の上爻に突然、現れましたね。これは、従う卦「坤為地」であるのに、一番上の位まで来てしまい、いらぬ強さを持ってしまったのです。しかし本質は坤為地ですから、本当に強いわけではありません。それで血を流す羽目になっているのです。
五爻黄裳元吉(こうしょう げんきつ)「君位にあっても、謙虚さを忘れなければ、大いに吉である」どの卦においても「五爻」というのは「君位」(= 王様とか社長とか)に当たります。君の位なのですから本来「陽爻」でなくては、ふさわしくありませんね。しかし坤為地は全部が陰の卦。王様なのに「陰」なのです。ですので「自分は力の弱い王様だ」ということを良く自覚し、謙虚であることによって吉を得られると言っています。
四爻嚢を括る。咎なく、誉れなし(のうを くくる。とがなくし、ほまれなし。)袋の口をくくって、中にあるものを出してはいけない。そうすれば、褒められることもないけれど、災いも避けられます。ひとつ前の乾為天の四爻では「不安や迷いがあっても進むべし」であったのに対し、さすが従う卦の坤為地は、何かを持っていても積極的に出すべきではないのですね。袋の中の物は、たとえそれが才能であってもお金であっても、今は出す時ではないのです。そうすれば褒められることもないかわりに、災いも起きないと言っています。
三爻章を含む貞にすべし。或いは王事に従うも、成すこと无くして終わり有り(しょうをふくむ ていにすべし。あるいは おうじにしたがうも なすことなくして  おわりあり。)才能を包み隠していなさい。毎日の仕事をきちんとしていれば、特別大きなことをしなくても、全うできる。能ある鷹は爪を隠す、と言われるのが、この坤為地の三爻です。今は目立つことをせず、日々の仕事をまじめにやることこそが必要とされています。そうすることが、返って物事を上手く運ぶのです。
二爻直方大。習わずして利ろしからざるなし(ちょくほうだい。ならわずして よろしからざるなし。素直で、きちんとしていて、大きさがある。このようであれば、改めて習うまでもなく、臣下や妻など従う者の道にかなっている。坤為地の二爻は、「従う」という徳をしっかり備えた正しい爻です。改めて「従う」ことを教えるまでもない、と言っています。
初爻霜を履みて堅氷に至る(しもをふみて けんぴょうに いたる)霜といえども、踏み固めていけば、やがては固い氷となってしまう。霜に喩えて、元凶は芽が吹いたばかりの時に、摘み取ってしまうことの大切さを教えています

妻とか臣とか下に付く立場の人のみでなく、トップの立場にある人であっても、他に従った方が善い時期や場合はあります。

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